美輪明宏さんが演じる寺山修司の世界
美輪さんの舞台は是非一度は観たいと思っていた。それも、美輪さんにあてて書かれた寺山修司の「毛皮のマリー」。
美輪さんの舞台というと、三島由紀夫と寺山修司。
私の浅はかな知識では、三島由紀夫は貴族社会の耽美的世界観。そして、寺山修司は大衆の、誤解を恐れずにいうとエログロナンセンスで頽廃的な世界観。
今回の毛皮のマリーは、まさにそんな世界観が余すことなく繰り広げられていたと思う。
新国立劇場中劇場
そんな舞台が上演されたのは新国立劇場の中劇場。
さすが美輪明宏さんだけあって、客席は満員。著名人からの花が所狭しと並べられていた。
劇場はどの角度、どの席からも観てもしっかりと舞台が見える作り。
私は2階席の端からの観劇になってしまい、良席とは言い難い席だったが舞台全体が見下ろせてどの場面も楽しむことが出来た。
でも、この演目には少し上品すぎる場所かも。
パンフレットによると初回上演は新宿の映画館だったようだ。
うん、あくまで個人的意見だが、場末の少し小汚い劇場がよく似合うような気がした。
際立つマリーの美しさと欣也の弱さ
毛皮のマリーは、40代の有名な男娼マリーと、その息子(実の息子ではない、多分)欣也の近親的な愛憎物語。
物語の粗筋や核心的な部分は避けるが、マリーに扮する美輪明宏さんが、とにかく美しい。
白い肌、ゴージャスなドレス。そして、魅惑的な声。
一方の欣也役の藤堂日向さんは、華奢でおどおどとしたひ弱な感じがよくでていた。実際には24歳の彼が18歳の役を演じるのだが、声も高く、この部屋しか知らずに育った感じがすごく出ていたと思う。
様々な演目を楽しめる新国立劇場
新国立劇場には、今回の毛皮のマリーを上演した中劇場のほかにオペラ劇場、小劇場がある。
また、オペラシティー内にはタケミツメモリアルというコンサートホールがあり、オーケストラの演奏などを楽しむことができる。
また、新国立バレエ団というバレエ団を持っていて、国内トップクラスのバレエを堪能できる。
4月27日からシンデレラをやるそうなので、興味のある方は是非!!